NATタイプが厳しいと表示されてオンライン対戦に入れない・ボイスチャットがつながらない方に向けて、NATタイプの意味と、PS5・Nintendo Switch・Xboxそれぞれでの確認方法、厳しくなる原因の切り分け手順を解説します。原因は「家の中のルーターの台数や設定」で直せるものと、「回線の方式や建物の設備」で自宅側だけでは変えられないことがあるものに分かれます。東村山の一原ITシステムが、どこまで自分で確認でき、どこから契約先や管理会社に相談すべきかを順番にまとめました。
NATタイプとは?ゲーム機ごとの表示の違い
NATタイプとは、ゲーム機がルーターなどを通してインターネットにどうつながっているかを表す目安で、ほかのプレイヤーと直接つながる対戦やボイスチャットのつながりやすさに関わります。家の中の機器は、ルーターがまとめて1つの住所(グローバルIPアドレス)で外とやり取りしており、この「住所の変換」をNAT(ネットワークアドレス変換)と呼びます。変換の仕方や制限の強さによって、外から通信が届きにくくなるのが「NATタイプが厳しい」状態です。
表示の名前はゲーム機ごとに違います。各メーカーのサポート情報やユーザーズガイドをもとに整理すると次のとおりです(2026年10月時点)。
| ゲーム機 | 表示 | メーカーの説明(要約) |
|---|---|---|
| Nintendo Switch 2 / Switch | A・B・C・D・F | A・Bは対戦・協力プレイを比較的おこないやすい環境、C・Dは最適な環境ではない、Fはインターネット経由の対戦・協力プレイができない環境 |
| Xbox | オープン・モデレート・ストリクト | オープンは相手を問わず参加・ホストが可能、モデレートは一部の人とプレイできない場合がある、ストリクトはNATタイプがオープンの相手とのみプレイ可能 |
| PlayStation(※) | タイプ1・2・3 | 1は直接接続、2はルーター経由、3はルーター経由で、ほかのPS4と通信できず、ネットワーク機能が制限される場合がある |
※PlayStationの行の説明は、PS4のユーザーズガイド「インターネット接続を診断する」の記載によります(PS Vitaのユーザーズガイドにも同じ区分の説明があります)。PS5での表示の名前や説明は、PS5本体の画面やユーザーズガイドで確認してください。
「NATタイプが厳しい」はメーカーの正式な表示名ではありませんが、本記事では、SwitchのC・D・F、Xboxのモデレート・ストリクト、PlayStationのタイプ3を「厳しい」側として扱います。なお、NATタイプはつながり方の目安であり、相手側のネットワーク環境によっても結果は変わります。
自分のNATタイプを確認する方法
▶ Nintendo Switch 2 / Switch
HOMEメニューの「設定」→「インターネット」→「接続テスト」を選び、「接続テストに成功しました」と表示されたら「NATタイプ」の項目を見ます(任天堂サポート「NATタイプの確認方法」より)。
▶ Xbox
Xboxボタンでガイドを開き、[プロフィールとシステム]>[設定]>[全般]>[ネットワーク設定]を選ぶと、[現在のネットワーク ステータス]にNATタイプが表示されます(Xboxサポートより)。同じ画面に「重複した NAT が検出されました」などのエラーが出ていないかもあわせて見ておきます。
▶ PS5
ホーム画面の[設定]>[ネットワーク]>[接続状況]から、インターネットへの接続状態を確認でき、[インターネット接続を診断]も選べます(ソニーのリモートプレイの案内に記載のメニュー)。PS4のユーザーズガイドでは、インターネット接続の診断結果の項目の1つとしてNATタイプが挙げられています。PS5でNATタイプの表示場所が見つからない場合は、本体のユーザーズガイドで確認してください。
NATタイプが厳しくなる主な原因
NATタイプが厳しくなる原因は、大きく「家の中のルーター」「回線の方式」「建物の共用設備」の3か所に分かれます。どこに原因があるかで、自分で直せるかどうかが決まります。
原因1:家の中にルーターが2台ある(多重NAT)
回線事業者から借りたルーター機能付きの機器(ホームゲートウェイなど)の後ろに、自分で買ったWi-Fiルーターをルーターモードのままつなぐと、住所の変換が2回おこなわれる「多重NAT(二重ルーター)」になります。任天堂のサポート情報でも、自宅内でルーターを複数使用している場合などは、お使いのルーターの設定を「ブリッジ接続」に変更する対処が案内されています。同じ案内では、お住まいが集合住宅である場合もブリッジ接続の対象に挙げられています。LAN配線方式などのマンションでは、建物側の共用ルーターの後ろに部屋のルーターがつながるため、部屋のルーターが1台でも多重NATになることがあります。自宅の機器がどれに当たるかの見分け方は、ONU・ルーター・モデムの違い|自宅のネット機器の役割と見分け方で解説しています。
原因2:ルーターの設定(UPnPや一部の機能)
UPnPは、ゲーム機などがルーターに「この通信を通して」と自動で依頼できる仕組みです。Xboxサポートでは、NATの一般的なトラブルシューティングの最初の手順として「UPnP を有効にして NAT テーブルを更新する」ことを案内しています。また任天堂のサポート情報では、ルーターの一部の機能(例として、アドレス変換を高速化する機能、無線の端末どうしの通信を分ける機能、SPIと呼ばれる通信の検査機能)を一時的にOFFにする対処が挙げられています(任天堂はこの対処を「ネットワークにくわしい方」向けとしています)。機能の名前と設定方法はルーターのメーカー・機種で違うため、説明書で確認してください。SPIのように安全のための機能もあるので、当コラムとしては、確認が済んだら元の設定に戻しておくことをおすすめします。
原因3:回線の方式(IPv6 IPoEのIPv4接続など)
IPv6 IPoE方式の光回線でIPv4のサイトやゲームにつなぐときに使われる仕組み(MAP-E・DS-Liteなど)は、1つのグローバルIPv4アドレスを複数の利用者で共有する方式です。日本インターネットプロバイダー協会のワークグループ報告書(2021年1月一般公開版)では、こうした環境でのP2P接続の難しさや、ポート開放が難しい理由が課題として整理されています。モバイル回線やケーブルテレビの回線でも、同じようにアドレスを共有する仕組みが使われていることがあります。
この場合、宅内の設定だけでは変えられない部分があります(MAP-Eではアドレス変換を宅内のルーターがおこなうため、ルーターの機種や実装で動き方が変わるとも報告書に記載されています)。任天堂のサポート情報でも、「IPv6 サービス」を利用する契約になっている場合は、可能であれば一時的にIPv6接続を停止して改善するか確認する、という対処が案内されており、NATタイプFの場合は契約しているプロバイダーに問い合わせたうえで、可能であれば無効にするよう書かれています。契約や機器によっては、IPv6の接続を止めるとインターネットにつながらなくなることもあるため、止める前に契約先へ方法と影響を確認してください。またIPv6(IPoE)は夜間の混雑を避けやすい接続方式でもあるため、止めると速度が落ちる可能性があります。仕組みはIPv6(IPoE)とIPv4の違い|回線が遅いとき確認すべきことで解説しています。
原因4:マンション・アパートの共用ルーター
建物全体でネットを共有している集合住宅では、共用ルーターのファイアウォール設定で通信が制限されていることがあると、任天堂のサポート情報に記載されています。この場合は部屋の中の設定では解決できず、建物のネットワーク管理者(管理会社や、建物と契約しているネット事業者)への確認が必要です。お住まいの配線方式はマンションのネット配線方式の違い|光配線・LAN・VDSLの見分け方で見分けられます。
NATタイプが厳しいときに自宅で確認する手順
確認は、自分で変えられる場所から順に進めるのが近道です。1つ試すごとにNATタイプを測り直し、変化を記録しておくと、相談するときにも話が早くなります。部屋にあるルーターが、管理会社など建物側で設置・管理している機器の場合は、設定を変える前に管理者に確認してください。
- 今のNATタイプと日時を記録する:ゲーム機の接続テストの結果をメモしておきます。
- ルーターの台数を数える:回線の機器のあとに、ルーター機能を持つ機器が2台以上つながっていないかを確認します。2台ある場合は、あとから足した側(下流)のWi-Fiルーターをブリッジ(アクセスポイント)モードにできるか説明書で確認します。上流の機器にルーター機能が無いのにブリッジにすると、インターネットにつながらなくなるため、上流の機器の確認方法はONU・ルーター・モデムの違い|自宅のネット機器の役割と見分け方を参照してください。集合住宅では、部屋のルーターが1台でも建物側に共用ルーターがある場合があります。
- ルーターのUPnPを確認する:管理画面でUPnPが無効になっていないかを見ます。変更したら、ルーターとゲーム機を再起動してから測り直します。変更前の設定は控えておき、改善しなければ元に戻します。
- 回線の契約内容を確認する:IPv6 IPoEのIPv4接続サービス(MAP-E・DS-Liteなど)を使っているか、プライベートIPアドレスが割り当てられる契約かを、契約先のプロバイダーの会員ページや問い合わせ窓口で確認します。
- 集合住宅なら管理者に確認する:共用ルーターがゲームのP2P通信に対応しているかを、建物のネットワーク管理者に確認します。
ポートの開放(ポートフォワーディング)は、Xboxサポートでは高度なトラブルシューティングの手順として扱われています。開けるポート番号はゲーム機やゲームの公式情報で確認し、不要になった設定は残さないようにします。またXboxサポートでは、ポートフォワーディング、UPnP、境界ネットワーク(DMZ)などの設定を組み合わせないよう注意を促しています。境界ネットワーク(DMZ)は、同じXboxサポートで「実質的にはネットワークのファイアウォールの外側にデバイスを移動させるもの」と説明されている設定で、効果がなければ次の手順に進む前に無効にするよう案内されています。試した場合は、無効に戻すのを忘れないようにしてください。前述のとおり、アドレスを共有する方式の回線では、宅内のルーターでポートを開けても効かない場合があります。
原因別の相談先
自分で確認しても改善しない場合は、原因の場所に合わせて相談先を選びます。
| 原因の場所 | 主な相談先 |
|---|---|
| 回線の方式・契約内容(アドレス共有、IPv6の設定) | 契約しているプロバイダー |
| 建物の共用ルーター・共用設備 | 管理会社・建物のネットワーク管理者 |
| ルーターの機能・設定方法 | ルーターのメーカー(説明書・サポート窓口) |
| 家の中の機器のつなぎ方・配線 | 自分で整理する、または宅内の設定・配線を扱う業者 |
NATタイプについてよくある質問
▶ Wi-Fiを有線LANに変えればNATタイプは良くなりますか?
有線か無線かは、NATタイプ(住所の変換のされ方)とは別の話なので、有線にしただけでNATタイプの表示が変わるとは限りません。一方で、有線化は通信の安定や遅延の面で効果が期待できます。任天堂のサポート情報でも、NATタイプがA・Bでエラーが繰り返される場合の対処の1つとして、無線接続の場合の電波強度・品質の改善が挙げられています。遅延の改善はオンライン対戦ゲームのpingを下げる方法|有線化と設定の見直し、ゲーム機の有線接続の手順はゲーム機の有線LAN設定|PS5・Switch・Xbox別の接続方法をご覧ください。
▶ NATタイプが厳しいと、まったく遊べないのですか?
ゲームの通信方式や相手の環境によって違います。たとえばXboxのストリクトは、NATタイプがオープンの相手とのみプレイできるとされています。SwitchのFは、インターネット経由の対戦・協力プレイができない環境とされています。
▶ 特定の人とだけつながらないのは、自分のせいですか?
任天堂のサポート情報では、特定のプレイヤーと繰り返しエラーが発生する場合は、通信相手のインターネット環境に原因がある可能性があるとされています。自分のNATタイプが良好なら、相手側の確認も必要です。
ルーターの整理やゲーム機までの有線LANは一原ITシステムへ
NATタイプのうち、回線の方式や建物の共用設備が原因の部分は、契約先や管理者への確認が必要になることがあります。一方、家の中にルーターが2台あって多重NATになっている、ルーターの設定画面の見方が分からない、といった宅内側の問題は、整理することで改善につながる場合があります。一原ITシステムでは、パソコン・インターネットの設定トラブル対応としてルーターの設定のご相談を承っており、作業前にお見積りを提示しています。
また、ゲーム機のある部屋まで有線LANを届けたい場合は、テレビの同軸ケーブルを使うMoCA施工で、壁に穴を開けずに有線化できる場合があります。テレビ線を使う施工は建物に傷をつけないため、賃貸物件でも大家様の許可を得ることなく導入いただけます(賃貸借契約の内容や建物の設備によっては、念のため事前にご確認いただくことをおすすめします)。東村山市を拠点に、所沢・清瀬・東久留米など多摩・埼玉南部に対応しています。詳しくは宅内LAN施工のページ、またはトップページをご覧ください。




