複数人が同時に在宅勤務するとネットが遅い|家庭内の帯域を分ける・優先する方法

家族や夫婦で複数人が同時に在宅勤務をすると、「ビデオ会議が固まる」「急にネットが遅い」と感じる方は多いはずです。原因の多くは、自宅の回線が持つ帯域(通信の太さ)を家族全員で奪い合っていることにあります。本記事では、Zoom・Teams・Google Meetが必要とする通信速度の目安と、ルーターのQoS機能で大切な通信を優先する方法、さらに有線LANで根本から解決する手順まで、東村山の一原ITシステムがわかりやすくまとめてご紹介します。

なぜ複数人の同時在宅勤務でネットが遅くなるのか

同じ家の中で2人、3人と同時にビデオ会議をつなぐと、それぞれの通信が干渉し合って遅延や音切れが起こりやすくなります。対策の前に、まずは「なぜ遅くなるのか」の仕組みを押さえておきましょう。

帯域は有限で、家族全員で共有している

自宅のインターネット回線には「帯域(バンド幅)」という通信の太さの上限があります。これは一本の水道管のようなもので、同時に使う人が増えるほど一人あたりに回せる水量=通信量は細くなります。1人なら快適でも、3人が同時にビデオ会議・動画視聴・クラウド同期を行えば、管の容量を超えて全員が遅くなるわけです。

特に「上り(アップロード)」がボトルネックになりやすい

見落とされがちなのが上り(アップロード)速度です。ビデオ会議は自分のカメラ映像を相手に送り続けるため、下り(ダウンロード)だけでなく上りも常時使います。家庭向けの回線は下りが速くても上りが控えめな設計のものもあり、複数人が同時に映像を送り出すと、真っ先に上りが詰まって映像がカクついたり音声が途切れたりします。

Wi-Fiは同時接続が増えるほど不利になる

Wi-Fiは電波を共有する仕組みのため、つながる端末が増えるほど順番待ちが発生し、実効速度が落ちます。仕事用PCだけでなくスマホ・テレビ・スマートスピーカーなども常時通信しているため、台数が多い家庭ほど同時利用の影響が出やすくなります。

ビデオ会議に必要な通信速度の目安(Zoom・Teams・Google Meet)

「結局どれくらいの速度が必要なの?」という疑問に、各サービスが公表している目安を整理しました(2026年6月時点)。下表の数値はいずれも1人あたりの推奨値です。

サービス HD画質で必要な速度の目安(1人あたり)
Zoom グループ720pで上り約2.6Mbps・下り約1.8Mbps/1080pで上り約3.8Mbps・下り約3.0Mbps
Microsoft Teams 1対1の720pで上り・下り 各約1Mbps/グループ1080pで各2〜3Mbps(最良画質時は上り最大4Mbps程度)
Google Meet HD画質で上り・下りとも約3〜3.6Mbps(参加人数・画質により変動)

ポイントは、これが1人あたりの数値だということです。仮に3人が同時にZoomの1080pグループ会議に参加すれば、上りだけで合計11Mbps前後(約3.8Mbps×3人)が必要になる計算です。しかも1080pでは上り(3.8Mbps)が下り(3.0Mbps)を上回り、家庭向け回線の上りが詰まりやすい理由がここにあります。

家庭内の帯域を「分ける・優先する」5つの方法

① ルーターのQoS機能で通信に優先順位をつける

多くのWi-FiルーターにはQoS(Quality of Service)という機能が搭載されています。これは通信の種類や端末ごとに優先順位をつけ、大切な通信を先に通す仕組みです。QoSには大きく、帯域の上限・下限を決める「帯域制御」と、通信の種類によって優先度を決める「優先制御」の2種類があります。ルーターの管理画面でQoSを有効にし、仕事用PCやビデオ会議を高優先に設定しておけば、家族が動画を見ていても会議の通信が守られやすくなります。

② 仕事用PCだけ有線LANにする

最も確実なのが、仕事用のPCをWi-Fiから外して有線LANにつなぐことです。有線にすれば電波の取り合いから完全に抜け出せ、上り・下りとも安定します。残ったWi-Fiの帯域も家族のスマホやテレビに回せるため、家全体のバランスが良くなります。有線とWi-Fiの違いは有線LANとWi-Fiはどっちがいい?でも詳しく解説しています。

③ 5GHz帯と2.4GHz帯で端末を振り分ける

Wi-Fiには5GHz帯と2.4GHz帯の2つの電波があります。仕事用PCは高速で干渉に強い5GHz帯に、スマートスピーカーや離れた部屋の端末は障害物に強い2.4GHz帯に分けると、混雑が緩和されます。すべての端末を1つの電波に集中させず、2つに振り分けるだけでも同時利用時の体感は変わります。

④ バックグラウンドの大容量通信を一時停止する

会議中に限って遅くなる場合、裏でWindows Updateやクラウドバックアップ、動画の自動ダウンロードなどが大容量の通信をしていることがあります。重要な会議の前には、こうした自動更新・同期を一時停止するだけで上りに余裕が生まれ、映像が安定します。

⑤ 回線(プラン)自体の上りを見直す

対策をしても改善しない場合、回線そのものが原因のこともあります。特にマンションでVDSL方式の場合、上りの上限が低く、複数人の同時利用には向きません。建物の方式や速度の上限についてはマンションのネットが遅い原因と改善策もあわせてご覧ください。

根本解決は「有線LAN化」|賃貸でも壁に穴を開けずに可能

ここまでの対策の中でも、効果が大きく持続するのが各部屋の有線LAN化です。とはいえ「賃貸だから工事できない」「壁に穴を開けたくない」と諦めている方も多いはずです。

一原ITシステムでは、テレビの同軸ケーブルを利用してLAN信号を流すMoCA(モカ)施工に対応しています。壁に新しい穴を開けず既存の配管を使うため、賃貸でも大家さんの許可が不要なケースが多く、各部屋を有線LAN化できます。複数人が同時に在宅勤務するご家庭でも、それぞれの仕事部屋に安定した有線環境を用意できます。施工内容は宅内LAN施工のページで、在宅勤務の通信環境づくり全体の進め方は在宅勤務の通信環境を整える優先順位でご紹介しています。対応エリアや費用はトップページからご確認ください。

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